◆目的
近年、人口減少や少子高齢化の進展に伴い、行政サービスの持続可能性の確保や地域社会の活力維持が重要な政策課題となっている。こうした状況の中、政府は2025年6月に「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を改定し、国および地方公共団体におけるデジタル技術の徹底活用による行政サービスの高度化・効率化を推進する方針を示している。
また、生成AIなどの急速な技術革新を背景として、政府においては行政分野でのAI活用を加速するためのガイドラインの策定や、政府共通のAI活用基盤(いわゆる「ガバメントAI」)の整備が進められており、今後は地方自治体への展開も視野に入れた行政DXの推進が期待されている。
こうした政策動向を踏まえると、地方自治体においてもデジタル技術やAIを活用した業務改革や行政サービスの高度化を進めることが不可欠であり、その実現のためには、専門的なデジタル人材の確保に加え、自治体職員全体のデジタルリテラシーの向上や地域社会におけるデジタル活用力の底上げなど、人材基盤の強化が重要な課題となる。
本分科会では、政府および自治体におけるデジタル人材育成や自治体DXに関する政策動向や取組事例の共有を行うとともに、自治体職員のデジタルリテラシー向上に向けた施策や人材育成のあり方について検討を行う。また、学校教育、社会人教育、シニア層を含めた市民全体のデジタルリテラシー向上に関する取組についても関係省庁の施策動向を踏まえながら議論を行い、課題整理および政策提言につなげていく。

1)自治体職員のデジタルリテラシー普及に向けた検討
自治体DXを継続的かつ効果的に推進するためには、一部の専門的なデジタル人材の確保にとどまらず、一般職員を含めた組織全体におけるデジタルリテラシーの向上を図ることが重要である。
このため、自治体職員を対象としたデジタルリテラシー向上施策について、各自治体における取組状況や課題を整理するとともに、効果的な人材育成のあり方について検討を行う。特に、一般職員層への普及および定着を図るための施策について重点的に議論を行う。

2)デジタル人材育成の先進事例の整理・展開
自治体におけるデジタル人材育成の取組は各地で進められているものの、その内容や成果には自治体間で差異が見られる。
このため、自治体における人材育成の先進的な取組事例を収集し、育成プログラムの内容、組織内での活用方法、成果創出に至るプロセス等について整理を行うことにより、他自治体への展開に資する知見の共有を図る。
また、2025年度に実施したヒアリング結果等を踏まえ、自治体DXの推進における人材面での課題や制約要因を整理し、課題解決に向けた方向性について検討を行う。

3)市民全体のデジタルリテラシー向上に関する検討
自治体DXを推進するにあたっては、自治体職員のみならず、地域住民を含めた社会全体におけるデジタル活用力の向上も重要な要素となる。
このため、学校教育、社会人教育、シニア層向け教育等を含めた市民全体のデジタルリテラシー向上に関する取組について、文部科学省、厚生労働省、経済産業省等の関係省庁の施策動向を踏まえながら情報共有を行い、今後の取組の方向性について検討を行う。