◆目的
2026年度は、自治体情報システムの標準化およびガバメントクラウドへの移行が一巡し、データおよびAIの活用を前提とした行政運営へ本格的に移行する重要な転換期に位置付けられる。人口減少および人材不足が進行する中、自治体DXには「個別最適」から「全体最適」へ、「所有」から「利用」へと発想を転換するパラダイムシフトが不可欠である。

現状の構造的課題として、政府はサービスモデルへの転換を志向し、共通SaaSのような仕組みを打ち出している。しかしながら、その対象市場は約1,700自治体に限定されており、約15兆円規模とされる民間IT市場が持つ投資スピード、規模の経済、継続的な技術革新の恩恵を十分に享受しにくい構造となっている。
一方、民間SaaSはグローバル市場を背景に、AI、UI/UX、セキュリティ分野における最新技術が継続的かつ自動的にアップデートされる仕組みを備えており、利用者は追加開発負担を伴うことなく、安心・安全で利便性の高いサービスを享受できるという優位性を有している。

さらに、少子高齢化の進行に加え、AI時代に求められる高度IT人材の獲得競争は一層激化している。自治体市場を主戦場としてきた企業が、従来型の受託中心のビジネスモデルを維持したまま持続的な競争優位を確立することは極めて困難であると考えられる。その結果、地域においても従来のように人件費を抑制した低価格モデルによるサービス提供を継続することは、構造的に限界を迎えつつある。
以上を踏まえ、自治体におけるITポートフォリオの最適化を図り、すべてを行政単独で抱え込むのではなく、民間企業との適切な役割分担およびコストシェアリングを前提とした持続可能な仕組みへと転換する必要がある。

◆活動方針
2025年度に提言したITポートフォリオ戦略の実績および検証結果を踏まえ、2026年度はその社会実装を本格化させる実装フェーズとして、具体的な活動を加速させていく。

重点活動
①自治体へのヒアリング(先進自治体・その他自治体の課題の掘り起こし)
②SaaSの分類(共通SaaSとの違い)
③SaaS導入・調達・活用ガイドラインの統合整理
④共同利用・共同調達モデルの検討