【コラム】第1回 読むだけでわかるレスポンシブWebデザイン講座

第1回 HTML5への期待


オープンガバメントコンソーシアム(OGC)技術顧問 木寺祥友

今注目されているレスポンシブWebデザインについて6回に分けて解説する。

レスポンシブWebデザインはHTML5と関係が深いこともあるので、まずHTML5の話をしておこう。スマートフォン、タブレットなどモバイルデバイスには当初から採用されているHTML5。今はアプリ全盛だが、本命はブラウザー上で利用できるWebアプリと言われている。デバイスのサイズや画素数によってアプリを作り変えなければならないからである。OSのバージョンアップによるアップデートも大変である。アプリ制作者もブラウザーベースのWebアプリに移行したいというのが本音であろう。3年先を行っていると言われていた日本のケイタイ事情でもダウンロード型のiアプリで始まったゲームなども、ブラウザーベースのフラッシュゲームへと移り変わって行った経緯がある。

最終的にデバイスの種類が増えたらWebベースになるというのが歴史の流れである。HTML5の採用はモバイルデバイスだけの話ではなくなってきた。遅ればせながらマイクロソフトでさえもパソコン用のブラウザーにIE9からHTML5を採用することになる。最後の砦ともいえるマイクロソフトの採用で、重要なテクノロジーのひとつになることは間違いない。プラットフォームはブラウザーベースのHTML5で統一されたのである。しかし、HTML5の重要性は認識しているが、何に適しているのかを理解している人はまだまだ少ない。HTML5になったとしてもデバイス毎にWebサイトを作ることにはかわりはないので、手間はアプリほどではないにしても時間がかかることは間違いない。更新についても作ったWebサイトの数だけ必要だ。そこで考え出されたのがレスポンシブWebデザインなのである。

ひとつのHTMLと複数のCSSによって画角を認識して的確なレイアウトを表示するというのがレスポンシブWebデザインである。スマートフォンCSS、タブレットCSS、パソコンCSS、ハイビジョンCSSなど大まかなレイアウトを決めるだけで中間のサイズは勝手に変化してデバイスに合うように表示してくれる。瓢箪から駒のような手法であるが、私もレスポンシブWebデザインを見た時には驚いたものである。こんな方法があったのか〜とため息をついた。モバイルデバイスでパソコンの画面を無理矢理表示してフォントが小さくて読みづらいなどということもない。本文の画像やテキストなどのデータは同じなのにそれぞれのデバイスに最適なレイアウトで見えることが画期的なのである。HTMLとレイアウトを切り離して考えていることが正しいのである。 (2013/1/28)

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◎今後のシリーズ予定
第2回 レスポンシブWebデザインとは
第3回 Web標準化の歴史
第4回 レスポンシブWebデザインの事例
第5回 レスポンシブWebデザインの課題
第6回 レスポンシブWebデザインの未来

 

2木寺祥友(きでら・よしとも)
株式会社エル・カミノ・リアル(http://www.ecreal.co.jp/pc/top/index.html) 代表
パソコン黎明期よりIT業界へ足を踏み入れ、1995年日本初のJavaプロジェクトにかかわり日本人としてはじめてJavaをプログラムする。サン・マイクロシステムズの協力により『Javaを創った人々』を執筆。2001年、携帯電話にJavaが搭載されることを機にNTTドコモiアプリのプラットフォーム作りに携わる。2006年ラスベガスで開催されたCTIAで講演。著書『アンドロイド・ジャパン ―日本企業の命運を握るプラットフォーム―』『Javaを創った人々』『マックユーザーのための目標ナビゲーション』『川柳で覚えるビデオ撮影術』『今すぐできるiアプリプログラミング』

 

 

 



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