■担当理事
荻原 聡 シスコシステムズ合同会社
■主査
手塚千佳 ネットワンシステムズ株式会社
◆1.背景
少子高齢化が進み、労働力人口が減少している中、長時間労働の是正や休暇取得促進、育児・介護と仕事の両立などワークライフバランスの実現に向けた取組は全ての組織にとって重要かつ喫緊の課題となっている。この様な社会的背景のもと、2016年8月に安倍第2次改造内閣が発足し、安倍総理は、「最大のチャレンジは、『働き方改革』であると宣言し、「働き方改革担当大臣」を新設、加藤勝信大臣が就任されたほか、内閣官房働き方改革実現推進室の設置や働き方改革実現会議の開催など、様々な施策が矢継ぎ早に開始された。
さらに、これからは2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会におけるレガシーの一つとして、2012年のロンドン大会の事例を手本に、日本に働き方改革が定着する絶好の機会であると考えている。
◆2.目的
以上の様な背景の中、すでに大企業、中小企業、中央省庁、地方公共団体など一部の企業や組織で、働き方改革の検討や取組が始まっているが、取組が十分でない企業や組織も多くある。これらの企業や組織においては働き方改革の普及に向け、多くの障害となる要因があると考えられ、その阻害要因を解消するための取組を提案することを目的とする。なお、これらの提案に当たってはOGCのセキュリティ分科会やモビリティ分科会とも緊密に連携した上で活動する。
◆3.成果
働き方改革のガイドラインの作成(既存のガイドラインを整理分析した上で、新たなガイドラインの対象範囲及び内容を精査し、作成)
(3.1「働き方改革のガイドライン」(仮称)の概要を参照)
ツールの体験を通した働き方(主にテレワークやリモートワークなど)導入の阻害要因の検証及び提言
→いくつかの中小企業や自治体を対象に、マイクロソフト社やシスコ社のツールを期限付きで貸与し、実際にツールを活用したテレワークやリモートワークを体験していただく。アンケートやワークショップを実施して、ツールが導入できるための環境や阻害要因などを検証し、提言にまとめる。
(ガイドラインに沿って)セキュリティクラウドを導入した自治体での働き方改革に関する提言
→自治体情報セキュリティクラウドにより、クラウド利用が制限されている状況下では、テレワークやリモートワークでクラウドを活用したツール(Web会議など)が使えない。一方で、民間ではクラウドを利用した働き方改革も進んでいる。このような状況を整理し、クラウド利用の重要性や阻害要因を盛り込んだ提言にまとめる。
働き方改革を実施した組織に対する、法人税優遇税制などの制度を提言
→働き方改革を実施した中小企業を対象に、法人税優遇税制などの制度を見直し、働き方改革の普及促進を目指す。
テレワークディやテレワーク月間への参加及び協業企画
→2020年までの毎年7月24日のテレワークディや毎年11月の1ヶ月間おこなわれるテレワーク月間の際に、共同イベントを実施し、働き方改革の市場を喚起する。
など
3.1「働き方改革のガイドライン」(仮称)の概要
3.1.1 位置づけ
働き方改革の検討を始めている企業及び既に取組を始めている企業を対象とし、各々の企業の風土や業務プロセスに則した最適な働き方改革の導入・運用へと導くための手引書
3.1.2 読み手
主に中央省庁、地方公共団体、民間企業(企業規模を問わない)などの働き方改革推進者及び当該企業の従業員
3.1.3 概要
我が国の働き方改革をより推進させることを目的に、先行企業の働き方改革の具体的取組事例を調査・分析し、働き方改革による効果や課題を明らかにする。その上で、推進者側の視点から制度改革やファシリティ整備、ICTツール導入等に係る対策、また、従業員側の視点から働き方に対する意識改革や業務改善、ICTツールの利活用等、様々な観点から働き方改革を進める上での阻害要因の解消に資する課題解決策を提案する。
◆4.期間
本分科会の活動は時限とし、活動期間は2017年8月から、東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催の2020年7月までとする。
4.1 4ヵ年の活動案
2017年
メンバ募集、分科会活動方針の合意
ガイドライン作成に向けた「働き方改革の事例検証、情報収集」
11月のテレワーク月間への参加及び協業企画
2018年
ガイドライン第1版:働き方改革による効果や導入に対する障害や課題について
提言の作成・展開、7月のテレワークディへの参加及び協業企画、11月のテレワーク月間への参加及び協業企画、企業や組織に対して、ツールを用いた実証実験の実施及び検証
2019年
ガイドライン改訂版:「組織風土」「制度」「ツール」の視点で、職員や従業員の意識調査について
法人税優遇税制などの制度を提言、
7月のテレワークディへの参加及び協業、11月のテレワーク月間への参加及び協業、2020東京大会に向けた取組の推進
2020年
活動のまとめ
◆5.分科会の進め方
本分科会が設立した際の意見交換は、会員企業のツールを使って、リモートからの会議を予定している。