PRESS RELEASE
2015年3月27日
一般社団法人オープンガバメント・コンソーシアム
OGC ビッグデータ・標準化分科会、「創・蓄・省エネ」の3つを連携させたオープンエネルギー統合ゲートウェイプロトタイプの開発と実証実験開始のお知らせ
政府は「世界最高レベルのIT国家実現」をめざして様々な施策を打ち出してきています。一般社団法人オープンガバメント・コンソーシアム(以下、OGC)は、「シティズン・セントリック(市民中心主義)」なIT環境の実現を目指し「“オープン”かつ“標準的”な技術」で電子政府および電子自治体を実現するための提言活動、実践的な実証事業、調査・研究に関する受託事業や、OGCの理念から発した技術立証に取り組んでいます。これらの活動は、OGC内の各分科会活動として取り組まれています。なお、OGC内にはスマートシティ、ビッグデータ、医療・ヘルスケアなど5つの分科会(2015年3月現在)が組織されています。
スマートメーター等の各種デバイスやセンサーが発するデータを地域の情報として収集し、分析・利活用することが、電力利用者の利便性に寄与するとOGCでは考えています。分科会の一つであるビッグデータ・標準化分科会では、電力利用に関するデータを機器メーカーの垣根を越えて集約し、分析・利活用できる環境を「オープンエネルギークラウド」と定義しており、そのために必要なクラウドシステムや宅内機器における電力利用量の通信インターフェース仕様を“オープン”かつ“標準的”な技術により記述し2013年3月にOGC ホームページ上で公開しました。
各地で実施されているスマートシティ./スマートコミュニティに関わる実証プロジェクトでは消費電力を見える化し、節電行動を誘発する「省エネ」、デマンドレスポンスの導入による需給調整を目指す取り組みを行われています。さらなる電力エネルギーの効率的な活用のためには、太陽光発電などの再生可能エネルギーによる「創エネ」や蓄電地による「蓄エネ」を見える化し、地域毎にダイナミックな電力エネルギーのコントロールを行う必要があるとOGCでは考えています。そのために、特定企業、特定技術・製品等に縛られることなく、創エネ・蓄エネ・省エネにおけるデータの受信、フォーマット変換、クラウド環境へのデータ送信ができる「オープンエネルギー統合ゲートウェイ」のプロトタイプを2015年3月末までにOGCビッグデータ・標準化分科会で開発し、2015年4月以降に実証実験を実施することを計画しています。実証実験においては「オープンエネルギー統合ゲートウェイ」のプロトタイプと複数の蓄電・発電機器と接続して、その機能、品質、性能等を確認する予定です。
なお、「オープンエネルギー統合ゲートウェイ」のプロトタイプは、市中で容易に入手可能なIntel社製のGalileo2を採用しました。また、ビジネスレベルデータの重要な構成要素であるセキュリティに関しては、国内には適切なガイドラインが存在していないため、NIST(アメリカ国立標準技術研究所)が公開し、米国電力業界で広く採用されている「スマートグリッド・サイバーセキュリティに関するガイドライン(NIST IR 7628(注))」を意識することで、将来的なセキュリティのニーズに備える予定です。
注 NIST IR 7628 とは、NIST(米国国立標準研究所)がスマートグリッド向けに作成したリスクマネジメントベースでのセキュリティガイドラインです。実際の運用形態を調査しその内容を反映しているため実践的な内容となっており、米国の事業者でも高く評価されています。
【報道関係お問い合わせ先】
一般社団法人オープンガバメント・コンソーシアム
事務局長 青山 (株式会社ハートウェア21内)
TEL:03-5721-4596 FAX:03-5721-4597
E-mail: info@ogc.or.jp URL: https://ogc.or.jp/